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偽りの仮面、それは下から‥ 

2013-6-6-eq001.jpg2013-6-6-eq002.jpg  淡々と‥

   昔から、性にある拘りは、そんな言葉へと向かう。

   それは、女もそうであった。


  始まりの合図‥

   そんなものは特にない。

   互いの中に淀む空気の流れと言い様の無い緊張感。

   それが、脳裏を刺激し事が始まる。


   〜silence〜

2013-6-6-eq004.jpg2013-6-6-eq003.jpg  いつか話した、あの日の光景‥

   まるで、それは人形の様に無表情な姿で意志を無くした生き人形。

   当時は裏に隠された現実すら見えていない。


  ズボンを下ろされ裸になる男の横で女は膝末き一言‥

   『失礼します』

   それだけを言い放った。


  非現実が現実を交差し支配する。

   想像が過去を飛び越え新たな価値観が生まれる。

2013-6-6-eq005.jpg2013-6-6-eq006.jpg  女はいつも真紅の口紅を塗っていた。

   まるで、その口を強く相手に意識させる様に‥。

   真っ白な肌に濃く塗られたその口紅の色は、

   今も変わらず覚えいる。

   そして、今も変らず口元には真紅の口紅が塗ってある。


  ゆっくりと‥

   少し俯きながら、

   真紅の口紅に彩られた口元へと右手を運び、

   黙ったまま口の中へと指先を入れ始める。

2013-6-6-eq008.jpg2013-6-6-eq007.jpg  もう片方の左手には別れても尚、はめてある結婚指輪‥

   それは過去の証明。

   子供達への母親の証。


  当時は、これから目の当たりにする女の姿、出来事など想像もし得なかった。

   過去に出会った男達、皆それは同じだろう。

   俺が見た同じ光景を見ている。


  口の中、摑み取る下の偽りから‥

   目の前に居る男を横目に女は淡々と黙って外し始める。


   〜silence〜

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