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初めてこの光景を目の当たりにした当時の事を今もはっきりと覚えてる。
8年が過ぎた今も、それは何ら変わらない。
そして‥
この日の衝撃、興奮、言い様のない感覚と興味、
それを超える女との出会い瞬間は、きっと‥
これからも先も無いだろう。
当時の女は30代の後半、そして自分は30代の前半。
女には二人の子供が居る。
互いの中にあった互いを知る情報は、その程度しかなかった。
右手の親指が口の中をそっと滑らせてゆく。
女の顔を、ただ見てる自分と、それを無視するかの様に、
女は少し俯きながら裸で淡々と進めてゆく次の動作。
不自然な空気の流れる沈黙の中に二人は居た。
この一瞬の光景を女は、何人もの男達の前で繰り広げてきたのだろう‥。
そして、それを見た男達は何を思ったのだろうか‥。
躊躇なく淡々と事が進むこの時間の流れに
女の迷い、戸惑いなど感じる事はなかった。
だからこそ、そんな事を考えながら女の今を見ていた。
下の偽りと同じ様に‥
白い歯とピンクの歯茎がゆっくりとズレ始め、そして不自然に傾く。
上の偽りは何かを押し退ける様に前へと迫り出してくる。
俯く女の顔は決して顔を背ける事はなく、まるで‥
この自分の今、行われてる事象を姿を見せつけるかの様にも思えた。
生々しい程の興味と興奮‥
その時、その唇に塗られた真紅の色の意味を知る。
本心から、この姿、この口を見られたくなければ、
それを外さなければ誰もわからない。
女の裸が目の前にあれば大抵の男は胸や女の穴に意識が向くだろう。
男がそれを舐められてる最中でさえ意識は女の口の中などには向かない。
ましてや、その口の中が何も無いなんて‥
誰が想像し得るだろうか‥。
膝の上に乗る当たり前の様に取り出された下のモノと、
今、口の中に指を入れ取り出そうとしてる上の偽り。
その全てを含む目の前に居る裸の女。
そして、さっきまでスーツを着込み、髪を束ね
一見何処かのキャリアウーマンにさえ思えた女の姿‥。
現実のすぐ隣には非現実が存在してる。
そこに境界線など存在しない。
〜borderless〜
下の偽りを剥ぎ取り、
それだけでもさっきまで知る女の印象とは違って見えた。
小さな顔は、より小さくなり、
下の唇は半分程の大きさ、幅になった様に思えた。
右手の指先で器用に外されてゆく上の偽りは、
俺の知る全てを超越していた。
下の偽りとは違い、大きく、まるで得体の知れない、
何か別の生き物、身体の内部を剥ぎ取り出す様に感じる。
一瞬、とても大きく開かれるその口。
やがて上の偽りの全貌が姿を現す。
偽りの白い歯とピンクの歯茎に連なる、その全てが‥
ゆっくりと取り出された。
『息を飲む』
まさに、この瞬間のこの光景の事だろう。
そして、女はその上の偽りを手に取り、
下の偽りの置いてある膝の上にと丁寧に並べた。
この間の出来事は数分の時間だったかもしれない。
でも、とても長くゆっくりと流れ去る時間の中で、
この間、何度瞬きをしたろう‥。
それは少なく目が乾いてる事に気が付いた。
この間、終始、女からの言葉は何もなく、
俯いた顔をそっと上に、こちらを見上げる。
取り外された女の口は、とても小さく真紅の口紅が目立ち、
それは小さく蕾の様な姿になっていた。
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