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二つの偽りが女の膝の上に並ぶ。
開かれた未開拓の境地、現実。
今、この状況に見合う適当な言葉が見つからなかった。
30数年の中で培われた常識や女への知識など全て抉り取られた瞬間。
女は取り出されたモノを手のひらの上に乗せて、
俯いた顔を徐々に見上げながら、
ゆっくりと‥
その何も無い口を少し開いた見せた。
この場所へ二人来た当初の姿、
顔はもう遠い過去の出来事の様に感じる。
その時に見た女の姿は、もう居ない。
今、思えばただの普通の女性から
姿、形を変え男を喰らう一人の淫女、
まるで別の生き物になっていた。
全てが衝撃的な空間の中に居た。
『その口は?』
そんな言葉が俺の第一声だった事を覚えている。
女は『20代で全て抜きました』
そう言うと、さらに口を大きく開けて、
こちらを見ながら舌を少し動かし、
本当に何も無い事をまるで証明して見せてる様でもあった。
少し離れた遠目にも、その口に何も無い事がわかる。
『この口は貴方のモノ絶対に傷つけたりはしません』
それが何を意味してるか、一瞬でわかった。
黙って頷く俺に女は、
『もっと中までご覧になりますか?』
『宜しかったら見てやって下さい』
黙ったまま頷く俺を確認して女は口の中に
自分の両指を入れながら、もっと奥までを開いて見せた。
身体は、まだ30代の真っ白な肌の裸の女。
真紅の口紅の奥に見える真っ赤な粘膜の壁。
それは唾液を中で塞き止めた肉の壁。
不自然が自然と融合する。
きっと、この時に女は見ず知らずの初めて会う男に
この姿、この口を見られる恥ずかしさと、
それを見られる事により体、肉体が疼き本能で感じる
興奮の中に居たのだろう‥。
後にそれが、わかる事になる。
女は唇を持ち上げ指を上下と動かし
その奥まで全てを曝け出す。
『視姦』
直でなく、それが写真を通してでも、
女が見ず知らずの男性に己の見られたくない姿を晒し
それを品評され、それに男性が興味を持ち
興奮を覚えてもらう事に女は感じる。
常に想像の中で視姦され育ち感じる生き物。
自ら大きく開かれた口の中を覗き込むと
その口の中は奥まで綺麗に一本足りとも
何も無かった。
女は言った‥。
『いろんな方のモノを咥えさせてもらいました』
『皆、最初は驚かれましたが喜んで頂きました』
『口の中に指を入れてみませんか?』
支配など、まるでオセロゲームの様な物だと思う。
ある一瞬の出来事で、裏表は簡単に入れ替わり、
自分の置かれた立場などが一瞬で逆転をする。
互いの想像の中の駆け引き。
それは時間と共に交差をし、
ある一点一色に向かってる様でもあった。
やがて、女は左右の指三本で更に開いて見せる。
俺の人差し指が開かれた口の中に入り、
前から奥へとゆっくり歯茎を撫でてゆく。
それは、不思議な感覚の感触だった。
たまに、女はゆっくりと噛んだりしてみせた。
痛くもなく不思議な硬さ、柔らかさ‥
そんな表現しか思いつかない。
俺の片方の手を持ち女は自分の穴へと向かわせる。
女の穴は俺が知る誰より濡れ汁が溢れている。
女の表情は何とも淫靡でいやらしく、
それは、まるで歯茎の粘膜そのものが
陰部の粘膜へと直結してる様でもあった。
もしかすると、本当にそうなのかもしれない。
それを確認させるかの様だった。
きっと‥
この姿、醜態を見られる事に女の意識は集中し、
本能で感じてしまう。
母親であり、働く女であり、
家に帰れば二人の子供達が待っている。
それが今‥
こうして見ず知らずの男性の前で裸になり、
使われ、しゃぶらせてもらう為の女となる。
無理に大きく開かれた唇は、
その中に入れた女の指を外したとたんに、
まるで蕾の様に小さく縮こまり、
完全に別人の姿になっていた。
人の口の大きさ形は歯があって初めてその形状を維持している。
もう、今のこの女の姿を見ても
誰もさっきまでの女と同一人物だとは思わないだろう。
きっと子供達でさえ知らない、この姿。
男の本能に根付く性欲、常識を疑う。
女の持つ穴など入れてしまえば、皆同じ‥
その穴とは?
今、目の前にある、その口‥
そう‥
その粘膜と肉の壁に覆われた口と言う名の新たな穴が、
俺の今まで培った常識を一掃させる。
想像を超えた初めて知る世界だった。
男のモノに合わせて自在に姿、形が変わる穴。
まるで別人となった女‥
それは外見だけでなく、本質的な中身までも変えていた。
さっきまで物静かな一人の女、母親がここまでいやらしく、淫乱になれるだろうか‥。
それは堰を切った様に一気に傾れ始める事になる。
『しゃぶらせてもらっても宜しいでしょうか?』
『もし、嫌でなければ咥えさせて下さい』
女のその言葉で止まってた空気、時間の流れが一気にと動き始める。
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